DQ6の因縁対決ともいえる真ムドー戦、そこでバーバラは理由を語らずひとり船に残ります。
彼女がなぜそうしたのかを考えてみます。
それは黄金竜=バーバラだったから、というだけではありません。
いや、ある意味、黄金竜=バーバラだからこそとも言えるんですが…。
あ、ちなみに黄金竜の正体に関してはたしかホリーさん本人が何年前かのニコ生かTV番組かでさらっと明言してたはずなので、確定条件として話してます。
ここからは大幅に私の推測と妄想。いちおう念をおしておきますが、これが絶対的な真実だと主張する気はないですよー。世間様に数ある説や解釈の中のひとつくらいに思っていただければありがたく。
さて、バーバラがあの黄金竜だったとしても、居城に着いてから竜化をといて一緒に戦うことはできなかったのか、というのがまず疑問としてあったんですよね。システム上4人パーティだから、あの時点ではどのみち誰か1人外さないとならないっていうメタな理由はおいといて。
バーバラが自分自身の意志でドラゴンになったわけじゃないから、自由に人間に戻れるわけではなかった。アモスさんと同じような理由。…これはこれでありそうですが、私が考えたのはそれに追加して「魔王ムドーとどうしても戦えない事情があった、直接的に手をくだすことができなかったため」でした。
その理由は「ムドーとは、バーバラが…というよりは、かつての大魔女バーバレラ自身が本来もっていた肉体の一部を利用され変質させられて生まれた魔王だったから」ではないか…と。
夢世界でバーバレラの魂のなきがらが宿る女神像から生まれたのがバーバラですので、彼女本人はバーバレラとは別の個(子)として確立され、存在しています。とはいえ、元がバーバレラであったムドーを倒すことはイコール母殺しであり、また、自傷や自殺にも等しい行為になってしまう。そのためさまざまな記憶を失っていても本能的なところで討伐に加わることはできなかった。…というのが私の想像。バーバラは幼い頃に羽根のはえた服を着てたって話がありましたが、DQ9で天使は上の者に逆らえない理なんてのもありましたねーとかちょっと思い出したり。
さらにここでDQ10の話に飛ぶんですけど(すみませんそっち未プレイの人には突然のネタバレです)とある村に英雄がいて、その英雄の肉体の一部が、ある魔女の悪意によって魔物化させられてしまい何も知らない村人たちを苦しめるというお話がありました。それに近いことが過去バーバレラにも起きていたんじゃないか?と思ったんですね。
ムドー戦の後にもあの黄金竜に乗っていつでも城まで移動でき、その際はバーバラもパーティに入れられるということと、黄金竜の伝説じたいは笛とセットで昔からあったということで、あれはバーバレラの肉体なのではという説を昔どこかで見たことがあるんですが。ある意味そこにも通じるものがあるというか…あの黄金竜もバーバレラの肉体でありムドーがその一部であると仮定すると、呪いのようなもので城に縛られている、自身の一部が存在しているあの場所から離れることはできないというふうに、筋が通ってきそうに思えるのですよね。
そして精霊ルビスからめぐりめぐってミレーユさんに渡った笛は、呪われてしまった竜の肉体に呼びかけ限定的であれ呼び寄せるためのもので、バーバラはそれに呼応してバーバレラの肉体と一時的に合体(竜化)した、とか。基本はバーバレラとバーバラで別個の存在のため、ムドー戦のときの一体化はあの場かぎりのもので、だからこそムドーが倒された後にはバーバラも黄金竜に乗れる…ということなら、黄金竜=バーバラも、ムドー戦後の黄金竜の存在も、同時に成り立つように思います。
また、バーバラは夢世界ではムドー討伐に加わっています。こちらのムドーがレイドック王だったのは言うまでもない話ですが、つまるところ「夢で魔王化させられていた、現実世界の主人公の父親を倒した」わけです。もしも現実世界のムドーが「現実で魔王化させられていた、夢世界のバーバラの母親を倒した」ということであれば、対のような、まるで『鏡のような』形になる(6ではちょうどラーの鏡が重要で、バーバラがいたのも月鏡の塔でしたね…)というのも気にかかるポイント。
DQ6の魔王たちの名前は全部組み合わせることでDQ2に絡んだ意味深なアナグラムが作れるけど、ムドーだけはなぜかそこから外れている。ムドーの名前はmoon dragon(月の竜)かmoon dream(月の夢)が由来じゃないか、ってことをすごく昔に呟いたんですけど。カルベローナで聞ける、バーバラならドラゴンにもなれるという話はひょっとしてそれらの名残だったんじゃないかと…。
DQ6が天空城ができるまでの物語であることはゲーム内でも暗に語られ、ホリーさん本人も昔に雑誌のインタビュー記事で答えていました。また、そこで「マスタードラゴン=バーバラではない」ということも言っておられました。まあ派生作品ではちょいちょいマスタードラゴン=黄金竜になってたりしますけど、そこはひとまずおいといて。
ゼニス城…のちの天空城にあった卵が生まれるとき、バーバラがその場にいたのはエンディングで描かれたとおりですが、そこから生まれたのがマスタードラゴンであるという説があります。仮に、ムドーという魔王がバーバレラという竜の呪われた一部分であったのに対し、この卵が彼女に残された希望の光、未来だったとしたら。バーバレラの転生した魂ともいえるバーバラが、あの卵の孵る瞬間にそばにいたのは、ごく自然な流れであり、深い縁と絆だった。そんなふうに思うと、ゲーム中で語られずあいまいだった部分がひとつながりになるような気がするのです。
西洋ファンタジーの一般的なイメージや、これまでのDQナンバリングと違い、古来日本のような文化圏を築いているアストルティア世界のエルフ。DQ10としての独自性や特徴づくりという意味合いだけではないのでは?というのが今回の話です。
なお、他の考察にも言えることですが、製作者側が明言しない限り“正解”“模範解答”といったものは存在しません。自分でプレイしていて浮かんだ謎や疑問に対して、私は私なりの答案用紙を仕上げ、提示しているのに過ぎません。とどのつまり、仮にどれほどもっともらしく見えたとしてもこれが「正しい」とは限らんよ、ということです。
以下、リンジャクエスト(失われた時を求めて)最終話まで、および神話編のネタバレを含みます。
ochearno(オチェアーノの剣)
gaiarla(ガイアーラの鎧)
tolenerd(トルナードの盾)
fuego(フエーゴの兜)
になります(オリジナルであるPS版7公式ガイドより)。調べてみたらこれ、リメイクの攻略本には一切載ってないんですよね。DQ6のほうは新しく英字つづりもきちんと設定してあったのに、なんでだろ?ってのはまあおいといて。
この4つをごちゃまぜにして、改めて組み替えると以下のような文がつくれます。
Alefguard clone Roto hero again.
(またはRoto hero clone Alefguard again.)
アレフガルドは再びロトの勇者を複製した。
もしくはロトの勇者は再びアレフガルドの複製をつくった。
Oratorio no change Alefguard lee.
オラトリオ(聖譚歌)はアレフガルドの滓(おり)を変えなかった。
もしくは、アレフガルドの庇護を変えなかった。
Galai hear neo age or cold fortune.
(またはneo fortune or cold age)
ガライは新しい時代、あるいは冷たい運命を聴いた。
(新しい運命あるいは氷河期を聴いた)
I left dragongaea chrono aureole.
私は時間の光輪に大地の竜(ドラゴンガイア)をおきざりにしてきた。
Ragnaroc gone aureole a hot field.
(またはRagnaroc aureole Engo a hot field)
ラグナロク(神々の黄昏)は光輪を灼熱の地にした。
(ラグナロクの光輪はエンゴウを灼熱の地にした)
Agiro rune calendar hate fool ego.
アギロの魔法の暦は愚者のエゴ(自我/うぬぼれ)を嫌う。
Ocean glue a fit hero dragoon.
海はドラゴンにふさわしい勇者(英雄)をつないだ。
もしくはoをゼロに見立てて、
Ocean glue 0 a hero fit dragon.
海は一人の勇者とつながったドラゴンを零につないだ。
A ranger life touch a dragoon lee.
一人のレンジャーの生命が竜の滓(おり)に触れる。
主語と目的語の位置は確定的ではないものも多いですが、私の解釈としてはこんな感じ。
すべて偶然の一致である可能性ももちろん捨てきれませんが…複数にロト関連の単語が入っているのを見るに、キャラバンハートや漫画版エデンの戦士たちといったスピンオフ作品だけではなく、DQ7はもともとロト編と密接につながっている世界設定だったと考える方が自然なように思います。
そして、あくまで私の推測にすぎませんが、DQ7はDQ2を歴史の最後におくロトシリーズと、DQ6を最初の時間軸とする天空シリーズをつなぐための世界で、ロトの勇者(太陽の象徴/唯一絶対の光そのもの)から天空の勇者(人間や地球の象徴/光(神)と闇(魔)、どちらの可能性も持つもの)への交代劇になっていたのではないか。そんなふうに思えるのです。DQ7のオリジナル、PS版のときのキャッチコピーは「ひとは誰かになれる」。もしかしたら、そんな意味もこめられていたのかもしれないと。
DQ7の物語の中で、キーファは太陽のようだと言われていました。この太陽というのはロト編でのローレシアの王子のポジションとも重なっていて、そのバトンを受け渡された形になる7の主人公…地球や人間の象徴になるのは、サマルトリアの王子にあたるんじゃないかと私は考えました。ちなみに月は言わずもがな、ムーンブルクの王女です。
ローレシアの王子は呪文をまったく使えません。言い換えると「魔(闇)」を持っていなかった。キーファもまた、魔力をいっさい持たない存在です。途中離脱するからというだけの理由ではなく、ローレシアの王子との関連によるものでは…?というのが自分の妄想に近い推測。
また、もしも7の主人公をサマルトリアの王子と仮定すると、DQ7の歴史にはロト(の魂)の空白期間が一部できてしまうことになります。なぜなら、7の主人公は、過去から魂を飛ばされてボルカノとマーレの子として生まれてきた存在だからです。
キーファが過去に残ったのは、この魂の空白期間を埋めるために、勇者の血が導いた故だったということではないでしょうか(もちろん、残された者たちの想いやら何やらで、感情として一発殴らせろとなるのがそれで変わるわけでもありませんが…笑)
こういった考えもあって、私はキーファ=オルゴ・デミーラ説を支持していません。オルゴ・デミーラは、おそらくですが神様のほうと対になってつながっている(神の一部)と考えています。だから神を復活させるということが魔王の復活にもつながってしまったし、魔王が神になりすまし入れ替わる事態になってしまった。
そしてもうひとつ。
DQシリーズ内での時間経過としてはDQ2→DQ7→DQ6という歴史の流れになっていて、2から7の過程でアレフガルドとDQ3の元世界(勇者のいた側の世界)は融合したと私は推測していますが、これはリアル世界のほうのギリシア神話、アトランティスとポセイドンのエピソードによるものです。
アトランティスは神々の子孫がおさめていた国ですが、時代がくだるにつれ信仰は薄れ、神をおろそかにして人々は堕落しました。海神ポセイドンはそれに怒り、アトランティスを海底に沈めます。けれど、一部の心正しき人は救われ神の国に導かれました。
さて、キャラバンハートにおいて、ローレシアとサマルトリアとムーンブルクは勇者がいなくなった後の時代に失われた国として出てきます。で…DQ7本編も海が主体のお話。サブタイトルは「エデン(Eden/聖書における神の楽園)の戦士たち」。DQ6の海底にはそのままズバリ「ポセイドン」と「アレフガルドをおさめていた」ルビスがいます。 また、DQ6のボス名を組み替えると、ローレシア・サマルトリア・ムーンブルクの地名が出てきます。
これらを合わせて考えると、偶然のひとことで片付けるのが難しいように思うのですが…。
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DQ10では見た目6主の「ソール」というキャラをメインにまったりプレイ中。
DQ10発売とほぼ同時期にサイト関連のファイルやメール合切の入ったPCが故障してしまい、ついったで細々呟いたりごくたまーにイベント参加するだけになった経緯があります。
ついったアカウントはこちら→ https://twitter.com/yusorak